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比較コーポレート・ガバナンス論―組織の経済学アプローチ

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本物の経営者と本物の投資家の目線は同じだ!「投資戦略レポート」

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定価 : ¥ 3,465
販売元 : 有斐閣
発売日 : 2004-12
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価格: ¥ 3,465
コーポレート・ガバナンスのなぞが解けた

 目からうろこの一冊だった。しばらく前から「コーポレート・ガバナンス」という表現をよく耳にするようになったが、企業の管理部門に在籍する私にとって、この言葉の意味がずっと不明瞭で曖昧なものであった。何故かといえば、同じ「コーポレート・ガバナンス」というテーマで論じられている問題が、バーリとミーンズの主張からはじまる企業の主権者論だったり、株式価値最大化のための企業の効率問題だったり、エンロンのようなステークホルダーの倫理問題だったり、企業の内部けん制のための組織設計だったり、会社法などの社会的な制度設計だったりと、まちまちだったためだ。ところが本書では冒頭で「コーポレート・ガバナンス」に関する議論について、倫理問題か効率問題かという区分、および社会全体の問題か個別企業の問題かという区分で、四つの象限にわけすっきりと整理している。ここを読んで、ようやく「コーポレート・ガバナンスとは何か」という長い間の疑問が氷解した。
 さらに、LBOやMBOといった、新聞などでしばしば目にするが実はよく解っていなかった用語について、丁寧に説明を加えた上で、著者のいう「組織の経済学」理論の立場からの解釈を加えている。「買収予定先の資産を担保に、ハイリスク・ハイリターンのジャンク・ボンドを発行するなどして、買収資金を調達する」LBOについては、これまで、静謐な優良企業を襲う悪辣な乗っ取りゲームという印象があったが、実は「企業経営の効率化に貢献しているのだ」とのジェンセンの学説には大いに刺激を受けた。
 本書は、コーポレート・ガバナンスの目的や方法などについて国際的な比較制度分析を行った後、コーポレート・ガバナンスの主権論について論じ、さらに結論として、日本の企業組織や企業人が今後どうあるべきか、ということについて、具体的な解決策を提案している。今後、新会社法の施行により外国資本が日本企業を買収しやすくなるなど、市場による企業の選択・淘汰がいっそう加速すると予想されるが、本書は、企業の第一線で働くビジネスマン、とりわけ経営責任を負うマネジャー層や経営戦略部門の担当者に、是非お薦めする一冊である。もちろん、アカデミックな論調のため即効薬的な効果は乏しいかもしれない。しかし、私にとって、企業戦略をもう一度じっくりと練り直すための貴重な示唆に富む一冊であった。

あくまでも学術書

本書はビジネス書よりはかなり高度な内容になっており、国際比較の観点・組織経済学的観点から鋭く切り込んでいる学術書ではないかと思います。
かなり歯ごたえがありますので参考文献を引きながら本格的に読み込むことをお奨めいたします。

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