タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる! |藤巻 健史
タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる!
藤巻 健史
日本経済新聞社 刊
発売日 2003-11
「東京屈指のディーラー」として、世界中のマーケットにその名をとどろかせる男、藤巻健史による著作第2弾。前作『外資の常識』のお笑いエッセーとは若干趣を異にしており、辣腕ディーラーのプロフェッショナルな側面がのぞける貴重な1冊に仕上がっている。
本書には大きく分けて6つの価値がある。1つ目は、三井信託銀行に11年、モルガン銀行に15年勤務した著者の経験を通じて、邦銀と外銀の違いが感じられること。2つ目は彼がディーラーとして知り合った、世界を代表するマネーメーカーたちの横顔と投資哲学、戦略を知ることができること。3つ目はディーラーという仕事の厳しさとやりがいを知ることができること。4つ目は、トップトレーダーとして活躍してきた藤巻の相場のとらえ方や投資戦略を、刺激的な過去の事例とともに学べること。5つ目は、藤巻から一般投資家に向けて、「金持ち父さん」になるためのポイントが具体的かつ実践的に示されていること。そして6つ目は、前作同様のユーモラスなエッセーを楽しめることである。
前作だけを読んで、著者を「ただのギャグ好きなオッサン」と思い込んでしまった人にとっては、本書は衝撃的な1冊になるだろう。なぜなら本書では、著者のディーラーとしてのプライドが随所に見受けられ、その自信を裏づける確固たる論理が併せて紹介されているからである。藤巻流ジョークというオブラートに包まれてはいるものの、その鋭い分析力と日本市場に関する知見、ディーラーとしての卓越した能力は隠しようがない。
読者によってさまざまな読み方のできる本であるが、醍醐味は世界に通用する人材としての藤巻健史を知ることができるという部分だろう。あくまで日本人としてのアイデンティティーをもち、主張すべきは主張し、仕事に自信と責任をもって臨む。その上で国境を越えた人脈を築き上げていく姿は、まさに真の国際人と呼ぶにふさわしい。(土井英司)
トップに立つ人の語りは価値が高い 2001-09-25
第5章は約5年前から連載された日経金融「複眼独眼」コラムの再掲だが、市場原理の尊重と政府・日銀の舵取りについての指摘は貴重である。どの分野でもそうだが、頂点に登りつめた人の話しは一読の価値があり、藤巻氏のユーモアの甘味付けは素晴らしいと感じた。本体の防水装丁も良い。シンプルなデザインと併せた著者の配慮か。
一途なポジションに再び陽があたるか 2001-09-18
ディーラーとして、世界的に有名な藤巻氏の生き様が軽妙なタッチで描かれています。前作「外資の常識」となんとなく重複している部分もありますが、この文章から伺える人の良い、楽しそうな「おじさま」という印象とは裏腹に一途なまでに円安・債券安のポジションを主張する姿は、ディーラーとしてのこだわりを感じさせてくれます。投資などには興味のない人には単なる読み物として、投資に興味のある人には、市場に対するスタンスを意識させてくれるものとして、前作以上に幅広く楽しめる要素がつまっているのではないでしょうか。
インターネットで再開された「プロパガンダ」にも要注目です。
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